山にカメラに大変おすすめのバックパック ソートゥース45 ただし重い
登山をはじめてはや数年、ずっとバックパックを更新せずにいましたがここにきて遂に買い替えてしまいました。これがもう人生かけて最高と断言できるプロダクトです。
ミステリーランチなんてミリタリー気取ったファッション向けブランドだろ!選択肢にも入らないね!!なんて考えていた時期が僕にもありましたがとんでもありませんでした、なにこの徹底した作り。
Mystery Ranch Sawtooth 45
実は山ではなくハンティング向けのプロダクトで、堅牢性と快適さに全振りしたものだったりします。
通販では品切れになっていますが、通販分の在庫が終わったというだけで東京ストアにはちゃんと全カラー陳列されておりました。
最初に最大のデメリット、重量が重い!!
そのカタログ値は
2.4kg
手持ちのグレゴリー ズールー40は現行モデルで1440g
リッター数が違うのでなんとも言えませんがその差1kg、それを許容するかしないか。僕は「鍛えりゃいいか」と世のウルトラライトと真逆の道を行く決意をしてしまいました。ちょっと調べればわかる情報は軽く流し、実際に使用して気に入った点をご紹介します。
まず全体、トップや前面にはウェアやギアを固定するのにも使えるナイロンベルトが配置されています。アックスを付けるためのループ等を追加すればもう冬山にも持ち出せそうです。
そしてこのガバア!と開くメイン気室、パッキングがそれはそれは恐ろしくやりやすいのです。実際には底から荷物を入れつつ、段々とファスナーを上げていきパッキングを進めます。もうこれだけで荷物の出し入れのし易さが異常。
気室内部にはハイドレーション対応ポケットは無論、左右には縦に長めのポケットが付いており、小型の三脚であれば外に露出させることなく収納できそうです。
僕は片方にはビバーク用のロープやペグ、もう片方にはジップロックに入れた予備のソックスを入れています。
更にはメッシュポケットが2つ、小物の整理に一役買ってくれます。
ファスナー金具の位置を調整しておけば、現場でいちいちトップのベルトを外すことなく、このようにサイドアクセスして中の物を取り出すことも可能。これむちゃくちゃ便利です。もう「下の方にあるからめんどくさい」なんて言わせないぜ奥さん。
構造は良くても快適じゃなきゃ意味がない、体にとにかくフィットさせフレーム全体で荷重を受け止めた上で腰へ均等に流す、というコンセプトのもと、カーボンロッドで構成された背負子のようなガイドライトフレーム、そして背面長を無段階調整可能、かつ肩のラインに沿うように設計されたフューチュラヨークシステム。
僕はショップの定員さんにウェイトを入れた状態で調整していただき、そのまま使用しています。よく見ると少しこちら側にカーブしていますが、これが肩の流れに沿うようになっているのですね。
高水三山のちょっとした岩場でも体の動きを損なうことなく、いい仕事をしてくれています。
ちなみにA&Fの店員さんに確認しましたが
グレゴリー ズール40の耐荷重は16kg
対してこのソートゥースは60kg超!!
そんでその荷重を一手に引き受けるのがウエストハーネス、ここの作りの良さが今回購入の決め手になりました。今まで試着含め背負ってきたものの中でダントツで腰の後ろ側へ荷重の乗っかりが良く、5パネルで構成されたクッションは腰骨を均等に包み、外側の硬いパネルとのコンビネーションでヨレることなくしっかりと腰を掴んでくれます。
正直、これを試着してからはどのブランドのもピンとくることがありませんでした。
またこのウエストハーネス、取り外しも可能ですが実は角度調整が可能、実際にトータル16kgくらい背負った状態で使用し、段々と下腹部へのバックルの当たりが気になり、試しに調整してみたら「!?」となるくらい体感で快適になりました。
ウエストハーネスにはMOLLEウェビングが縫い付けられており、MOLLEシステムに対応したアクセサリーを社外品含め取付可能。僕は別のバッグにつけていたLINHAのボトルホルダーをまず装着、この釣り用バッグメーカーもいいプロダクトを出しています。
そしてフレームからショルダーハーネスの作り、これが大変素晴らしい。
上に突き出たフレームから調整用のベルトが理想的とされる45度に近い形で下がっています。ハーネス側のバックルを前後させることで角度の微調整も可能。
これのおかげで肩への荷重をほとんど意識することなく、なんとPDのキャプチャーにカメラを付けた際の荷重さえも意識することがありませんでした。
ここ最近、夏に長距離運転してから左肩だけがすぐ痛くなったりと不調が続いていたのでこれにはとてもびっくり。
サイドポケットはコンプレッションベルトを避ける作りになっており、荷室を締め上げたあとでも物の出し入れがスムーズ、これはマジで嬉しい。
そしてそのコンプレッションベルトに使用されているバックル、これが自動ストッパー付きのものが使用されており、締めたあとに緩んでくるのを防いでくれます。
一応、僕は使うことはなさそうですがオーバーロードシステムが実装されており、写真のようにフレームと荷室をいったん離して更に荷物を挟み込むことが可能となっています。山では使用が難しそうですがキャンプなどでサイトまで車で行くことが出来ないなどでは便利そうです。
ミリタリー色が強く、重量もありますが全体的なパフォーマンスでミステリーランチというブランドを一気に気に入ってしまいました。
「デイナデザイン」というと山好きにはおなじみですが、創業者のデイナ氏が離脱後に新たに立ち上げた会社だったりします。
実は今回、33リッターの「スケープゴート」と迷いに迷ったのですがやはり容量面で断念。フレーム構造など簡易ですがこちらも大変良かったです。
廃盤によりなんと半額、昭島アウトドアヴィレッジのA&Fにも実物がありますので気になる人は急げ!